jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

宣言解除できるか、それとも再延期か?

1月上旬から始まった、この冬の非常事態宣言は、2月上旬の延長を経て、あと4日でいよいよ終了の予定である。先週の段階では、政府は「予定通り終了」するつもりだったようだ。

ところが、この1、2日の間に、様々な方面から「再延期するように」という圧力がかかり始めたようである。関係者の間ではかなり揉めているらしく、まだ方向性は見えてこない。(追記:先ほど総理大臣が、「おおよそ2週間程度の延期」だと突然発表した。)

このブログでも東京のデータ分析を通して、「順調に減少傾向は続いている」と当初は分析していたのだが、千葉と神奈川のデータを見て考えを変えた。どうも、暖かくなってきた場所から下げ止まりが始まっているようなのである。

昨日の段階で、我輩は、本日の東京の新規感染者は180人程度だろうと思っていた。ところが、実際には316人となり、ついに大きな「反転上昇」となってしまったのである。おそらく、春の暖かさが東京にも到達し、千葉や神奈川と同じような、人の流れが始まってしまったのではないだろうか?

先日の東京23区別の実効再生産数の推移から、東京が陥るであろう「高止まりの水準」についておおよその予想を先日行ったが、そこでは、だいたい250-300人/日程度になるのではないかと見積もった。

そこで、今週の予測として、明日木曜日が300人/日の新規感染者を公表するだろうと仮定してみることにした。そうすると、次のグラフのようになる。

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東京都の発表に基づく、1週間ごとの新規感染者数の推移

今回新たに3つの水平線を引いてみた。一番上の黒い点線が週平均で300人/日となる場合、真ん中の赤い線が250人/日の場合、下の青い線が200人/日のば愛である。今週の結果は明日にならないとわからないが、仮に明日300人だと仮定すると(先週の木曜は340人だった)、緑色の点で表した状況となる。とすると、予想通り250人/日の水準でどうやら「高止まり」しそうな雰囲気である。(この状況はたとえ明日の発表が400人/日だったとしても、結果に大した違いはみられない。)

実効再生産数(R')の予想値もみてみよう。

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(近似)実効再生産数の推移(東京)

こちらは、明日300人/日を記録すると仮定するとR'=0.98にまで跳ね上がることになる。R'=1に到達すると「下げ止まり」あるいは「高止まり」であるから、どうも今週の様子を見る限り、東京にも「下げ止まり」が訪れそうな気配である。千葉>神奈川>東京>埼玉の順に暖かい陽気、つまり春の訪れたがやってきているのであろう。

知事たちが、慌てて宣言の延期を望む声を出し始めた理由がわかる。

この水準での宣言解除、およびその直後の(政府が目論む)gotoキャンペーンの復活は、桜の開花と相まって、相当数の感染を引き起こすであろう。年末年始の「爆発」まではいかなくとも、我輩の予想曲線程度は感染拡大が広がってしまうのではないか?それは、だいたいピーク時に1000人/日という波である。ピークの時期はおおよそ4月中旬、つまり5月連休の直前である。

突然変異の株が広範囲に広がり始めていることも報道で伝えられており、これからの季節は「緩めれば即爆発」という感じに見える。まともな論理回路を頭脳に持つ人間であれば、3月7日は「解除宣言」の日ではなく「宣言再延長」の日になるのは確実だ。問題は、それが2週間なのか、1ヶ月なのかである。2週間というのは、延長を決めたその日の状況が反映される日のことであるから、やるだけ無駄である。3月7日は下げ止まりが確認される日になるはずなので、すでに2週間後がどうなるかは見え見えなのである。どうせ延期するならやっぱり1ヶ月程度はやらねばなるまい。だが、そうなると4月7日まで自粛の日が続くことになり、人々の不満は高まるだろう。

しかし、オリンピックを是が非でもやりたい、と思っている人は、そんな不満などどうでもよく、とにかく数を減らしたいと考えるはずだ。にもかかわらず、なぜ2週間なのかというと、昨年オリンピックの延期を決めたのが3月下旬だったのだ。おそらく今年も同じタイミングまで待って、昨年の水準より下がっていればオリンピックへGo, 上がっていれば断念、となっているのではないだろうか?

オリンピック断念となれば、多少は病人が出ても気にせず、人を動かし経済を動かして、自分(知事)の支持率が下がらない程度に、不満を解消する方向で政策を打とう、と考えているような気がする。