jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

最後の指標も危険水域に接近:全国の死者が100人に迫る

感染爆発/医療崩壊の指標として3つの数字を提案してきた。

最初は東京の新規感染者数(直近24時間に発表される数)として掲げた1000人だが、これは7日間平均すら1000人を裕に超えるようになってしまい、すでに「感染爆発」である。

2つ目は東京の1日の死者数だが10人/日が目安となるのではないかと提案している。本日は13人だった。これに関しては12月下旬に10人/日程度の日が数日続き危なかったのだが、年末年始は「統計上は」なんとか堪えたように見えたが、正月明けにこれまでで2番目に多い14人が記録され緊張感が走った。幸いにも今週に入って一桁台が続き、医療関係者が必死に頑張っているのが滲み出る結果に少し油断していた。この指標は、一度超えてしまうと(しばらくは耐え忍ぶのであるが)結局は感染爆発してしまう指標として考えているので、今日のような日が断続的に現れては消え、というのが続いて、最後は耐えきれなくなる、という想定なのだ。したがって、もちろん、本日の結果だけではまだ判断できないが、要注意ではある。

3つ目が全国の1日の死者が100人/日を超えるところではないか、という提案である。今日は97人が記録され、これまでで最悪の値である。全国の広範囲で医療崩壊/感染爆発が始まるまでの秒読み段階に入ったのではないかと緊張感を感じている。

 

実際、今日のタイミングで、首都圏に加え、京阪神地区および中京地区(愛知と岐阜)への非常事態宣言が本日出た。さらに、福岡と栃木にも出た(この2つは、政府が自身の後手後手感を払拭するためのキャンペーンではないかというのが、News23星浩氏の見解である)。全国での感染爆発が始まりつつあるのは、このあたりからも読み取ることができるだろう。

先に出た首都圏の非常事態宣言の方は、宣言から1週間が経とうとしている。新型コロナウイルス の感染率は、β=1/5(人/日)程度と言われているから、非常事態宣言の日に感染した人が発症し病院に駆け込み始めるのが、今日あたりからのはずだ。検査の結果は数日後に発表されるので、今週末以降の統計を見れば、人々が宣言を深刻に受け止めたかどうかの目安が見えてくるだろう。

また、回復するまでの期間は15日程度、つまりγ=1/15である(フランスでICU滞在期間が平均で15日という論文発表が最近あった。論文ではインフルエンザの場合のICU滞在期間が8日とあり, これは日本の学校保健安全法が定めるインフルエンザ罹患時の出席停止期間、最大8日間、と一致しているので、一般の回復期間に拡張できると思われる)。したがって、基本再生産数R0=β/γは3程度と算出される。この感染症はかなりの感染力を持っていることがうかがえる。集団免疫はこの逆数を1から引いたものだから、2/3つまり7割近くの人間が感染しないと集団免疫は獲得できないことになる。

英国は本日までの260万人程度のワクチン接種がおわった。設計通りの2度の接種が終わっているわけではないので効果は未知数だが、1回の接種でもある程度効果があると見込むと、現在の接種率は4%弱である....接種が始まったのが12月の初めだから, ひと月で大体3-4%程度ということになる。線形的に接種が順調に進み、かつ遠慮がちの推計すると、英国が集団免疫を獲得するのはおよそ13ヶ月後、つまり2022年2月頃(ついでに思い切って22日としてしまおう)ということだ。もちろん、トラブルがあったり、効果が低い場合もあるだろうから、1−2年と見積もるのがよいだろう。

日本はまだ接種すら始まっていないのだから、今年の夏のオリンピックまでに国民全体に接種するのは、ほぼ不可能だろうと思われる。

感染爆発/医療崩壊の指標の閾値にすでに到達してしまったということは、ワクチンによる集団免疫の獲得は、感染爆発してからということになりそうで、そうなるとなかなか感染症を抑え込むのは大変になるような予感である。