jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

英国のワクチン接種の状況:どうもうまくいってないらしい

先日も取り上げたのだが、英国がPfizer+BioNTechのワクチンの接種を始めてから21日経過した。このワクチンは21日の間を空けて2度目の接種を打つことになっているのだが、どうもうまく行ってないらしい。(今日までに2度目の接種を受ける予定だった人は予定通り2度目を接種し、ワクチン接種を完了することができると聞いているが、それ以降の予定だった人は、「新しい予定」に従わないといけない。新しい予定とは、すなわち接種の遅延である。)

どうも、ワクチン接種を完了させるよりも、より多くの人に最初の接種を受けてもらう方を優先することに変更したようである。

www.goodmorningamerica.com

容易に想像できるのだが、新種の突然変異(VOC-202012/01)が猛威を振るう現状においては、2度の接種、つまり「完全接種」を狙っても無駄に終わる可能性が出てきたということなのだろう。つまり、ワクチンによる免疫獲得のスピードよりも、感染拡大の速度の方が圧倒的に速い、という分析のもと、「不完全でもより多くの人により早く」ワクチン接種しないと、感染を抑制できないと判断したものと思われる。それほど、この突然変異の感染速度は速いのだということだ!

せっかくワクチンができたのに、役に立たない可能性が浮上したということだ。

英国政府の中でも意見が大きく割れたようで、「2度接種しないと免疫が獲得できないのだから、きちんと予定通りやるべき」と考える人と「1回でもやれば、0回よりもましな免疫が獲得できるはずだ。いま急いでワクチンを多くの人に打たないと間に合わなくなる」と考える人とで意見が対立しているようである。結局は、当局の責任において、後者を決断したということだろう。

さらに問題なのは、前回のabcnewsでも取り上げていたが、本来21日間隔で2度打つべきワクチンを2,3ヶ月も間を空けても大丈夫なのか、という問題である。これは治験では調べてないので、ぶっつけ本番ということになる。これほどのリスクを冒してまで、やらなければならないというのは、事態が相当切迫していると考えていいのだろう。

腐った巨神兵を「今使わずに、いつ使うのだ!」と叫びながら強引に使い、最初はよかったのだが結局は失敗したナウシカのシーンをついつい思い出してしまうのだが、大丈夫なんだろうか?

ワクチンが承認される前に、英国や南アフリカの突然変異の感染流行がもし日本で始まると、もはやワクチンが届けられても無意味になってしまうという恐れが現実味を帯びてきた....要注意である。

 

www.theguardian.com