jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

今週の東京の感染者数の動向

先週は第一波、第二波のピークを上回る最高値が発表され、ついに1日の感染者数は500人台を記録してしまった。今週はさらに上を狙う形になるだろうと予想していたのだが、連休によって当局の統計処理に乱れが生じたようで、予想通りの「数字」は発表されなかった。

しかし、これはどうも「感染者が減った」ことを意味するのではなく、休日で処理しきれなかった、という方が近いらしい。報道によれば、この連休期間中に感染者は激増したという。実際、重症者の数が本日これまでの最高値を上回ったという報道があった。

明日、あるいは明後日あたりから、連休の影響が統計処理からなくなるはずだから、土曜日の前後に、再度最高値更新、なんていうニュースが流れてきそうである。

恒例の、1週間の集計記録のグラフを見てみよう。

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東京都の発表に基づく、1週間ごとの新規感染者数の推移

この2週間の「跳ね上がり」のトレンドから若干緩やかになった感じではあるが、依然として高水準の上昇率である。上述したようにこれは連休にともなって統計処理しきれなかっただけのことだと思うので、その影響がなくなったところで再度跳ね上がる可能性は高いと思われる。

それよりなにより、本日驚いたのは、全国の死者の総数である。これまでの記録(1日に亡くなった人の数)は31人/日であり、それに次ぐのが29人/日であった。本日は、29人/日である。これは大変なことである。

これまで、日本は死者数に関しては感染爆発を完全に回避してきた。世界的にみてもかなり優秀だと思う。ヨーロッパやアメリカのような悲惨な状況にならなかったのは、報道を見た人々が敏感に反応し、自主的な「ロックダウン」を実施できたからである。

しかし、最近の人の流れを見ると、数字を見ても全然動じていないように見える。例えば、本日の東京の新規感染者の数は481人であるが、8月1日記録した第二波の最高値は472人であった。夏にこの472という数字をみた東京都民は心の底から恐怖を感じ、新宿や池袋に行くのを一斉にやめ、症状がなくてもPCR検査に積極的に参加した。そのおかげで、あっという間にピークを超えて減少したのである(が、中途半端に終わったのは、「経済を回せ」とかいって人の動きを完全には止めなかったからである)。

本日は、大阪で12人が亡くなった。これまで大阪での死者の記録は9人だったから、これは最高値である。しかし、これを聞いてもあまり人々は恐怖に感じた様子が見られない。東京で今まで記録した1日の死者の最高値は15人/日であるから、それに肉薄している。それでも、大阪に動揺は走っていないように見える。

東京はまだ、そのレベルまで行っていないが、これは世田谷や品川などで、幅広くPCR検査が行われていることもあって、まだ陽性率が低めに抑えられているからだ(低いわけではなく、大阪よりは低いという比較の問題に過ぎないことに注意。実は東京の陽性率もこのところ急激に上がってきて、第二波のピークの頃と同じ感じになっている)。一方の大阪における陽性率(の7日間平均)は10%を超えてきた。

news.yahoo.co.jp

兵庫や京都なども陽性率が上がっており、関西圏における感染者の拡大は危機的な状況になりつつある。陽性率が高いというのは、検査数が足りないということであり、検査の結果が出てきた頃には、すでに重症、あるいは極端なときには死んでいる、などという状況が頻発してくる。

大阪が深刻な状況にあるというのは、死亡者の多さと陽性率の高さが相関しているように見えるからである。典型的な医療崩壊による犠牲者の急拡大、という状況に入りつつあるのであろう。

東京がまだ大阪の水準に達していないのは、さすがに金と人がまだ潤沢にあるからだろうと思う(これも比較の話である)。報道によれば、東京の医療資源も底をつきかけているとのことである。尽きた瞬間に、陽性率と死亡者数は跳ね上がると思われる。