jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

東京の陽性率が増加している

東京の陽性率(TPR)が増加している。まずはグラフを見てみよう。

f:id:jippinius:20200731232525p:plain

東京の陽性率

横軸は7月の日にちを表す。例えば「24」は7月24日を表す。7月12日(日曜)から昨日(7月30日木曜)までの、東京都が発表したデータをプロットしたものである。本日のデータは明日になると大きくずれる可能性があることには留意してもらいたい。(保健所/都庁で働く諸君達が、現在てんてこ舞いであることを思いやっていただけると嬉しい。実は、毎日データを処理していると、過去2、3週間分くらいのデータは毎日変動していることがわかる。保健所や都庁で働く人々が手作業で少しずつ必死にまとめていることがわかるので、まさに涙ものである。)

オレンジ色の線は7日間平均の陽性率をプロットしたもので、これが東京都のホームページに掲載されている値である。ちなみに今日は6.5%である。一方の青い線のグラフは、その日その日の陽性率をこまめにプロットしたものである。東京都の検査数は曜日による変動が大きい、という理由から東京都はこの数字を公表するのをためらっている(両方発表すれば良いだけの話なのだが...)。

GOTOキャンペーンが始まったのが22日であるが、検査の結果が出るまでに数日のズレが出るので、グラフの動きを読み取るにはそのタイムラグを考慮する必要がある。

23日に大きく陽性率が跳ね上がっているのは連休前の駆け込みのようなものであろう(旅行の都合というよりは、病院関係が休診になる前にという心理であろう)。タイムラグを考慮すれば、「駆け込み」は実際には21-22日ごろに発生していると考えられる。

23日の駆け込みの前の陽性率はほぼ一定で、オレンジの平均線と青い当日線が6-7%の値でほぼ一致している。16日前後の値も跳ねているが、これも休日前の駆け込みの一種だろう。22日は水曜日なのでその前の週末付近に相当する。(13日の落ち込みは土日の休診と若干関係しているとは思うが、はっきりした理由は不明だ。ただ、7日平均線はこの期間で6−7%の間で安定しているので、曜日による周期的な変動ではないかと思われる。)

さて、注目したいのは、この2,3日の直近にあたる当日線(青いグラフ)が、7日平均線(オレンジのグラフ)を上回り、7−8%の間にあることである。この傾向が続けば、平均線もジワリとあがってくる。今日のところは6.5%という値に収まったが、それは連休中の検査不足に負うところが大きい。7日平均の計算の中に連休が入らなくなってくるタイミングで陽性率(公表値の方)が上がってくる可能性がある。

陽性率が高まる理由というのはいくつかあって、その時その時の状況に応じて適切に解釈する必要があり、一般の人にはなかなか理解するのが難しいと思うのだが、今回の増加は、PCR検査の不足を意味していると思う。結局、市中感染は広まっており、そのスピードはどんどん加速しているのだが、検査数が足りないので、その実情を正しく把握できないのだ。PCR検査数の増加のスピードよりも、感染のスピードの方が遅ければ、陽性率は日に日に減少するはずである。現在東京都は1日1万件の検査数を目指して検査数を増やしている最中にも関わらず、陽性率が上がってしまうということは、予想以上のスピードで感染が広まっていることを意味する。もし来週にかけて陽性率が8%を超えたり、10%に到達するようであるなら、PCR検査はもっともっと増やさないといけないのだ。実際、大阪の陽性率は10%に到達してしまった。あれだけ頑張っている大阪でもPCR検査は不足しているのだから、東京はもっと頑張らねばならない。