jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

King Kong: the skull islandを途中から見る

King Kong: the skull island

テレビをつけると"King kong: the skull island"が放映されていた。「先週はゴジラ(ハリウッド版をやっていた)が、今週はキングコングか」とぼんやり思っていたのだが、最後のシーンでゴジラキングギドラの壁画が出てきて驚いた:「来週はキングコングゴジラが一緒に登場する続編があるのか!」と。ググってみるとこれは来年公開予定らしい。残念である。

キングコングゴジラは実は深いつながりがある。両者が一緒に出演しても、実はそれほどおかしい組み合わせではないのだ。

 

Willis O'Brien

まずは始まりは、1933年に作られた特撮映画キングコングである。特撮を担当したのがWillis O'Brienである。O'Brienは特撮映画のパイオニアであり、1925年に最初の長編特撮映画The lost worldの特撮を担当し注目を浴びた。

The lost worldは、シャーロックホームズシリーズの作者A.C.Doyleが書いた有名な恐竜SFである。(原作をもとにO'Brienらが作った特撮映画の冒頭で、Doyle自身が登場するのは驚きである)。ジュラッシックパークの続編である"The lost world"も、Doyleの原作からヒントを得ているのは明らかであろう。O'Brienは恐竜の人形をストップモーションの手法で動かし、生命を吹き込む名人であった。それを次作「キングコング」で存分に発揮したのである。

ストップモーションの技術の創始者O'Brienの弟子がHarryhausenである。彼は1949年に作られた、ゴリラが登場するパニック映画でO'Brienに雇われ、見出された。ちなみにこの映画はキングコングと同じスタッフによって制作されたという。

Ray Harryhausen

Harryhausenに関しては以前ジュラシックパークの記事で簡単に以前紹介した。Harryhausenが作った2作目のSF作品”The beast from 20000 fathoms"(1953)”という特撮映画がある。この映画に登場する恐竜リドサウルスは北極で原爆実験を繰り返した結果、閉じ込められていた氷が割れて現代に復活し、ニューヨークを襲うというシナリオである。恐竜の出現の可能性や、駆逐作戦には物理学者ネスビット教授が活躍する。このタイプのシナリオは、エイリアンとか、遊星からの物体Xとか、さまざまな現代SF映画で採用されているプロットのオリジナルであろう。

実はこの恐竜映画を見てinspirationを得たのがゴジラの製作者たち(特撮主任はウルトラマンを作った円谷氏)である。

ゴジラ

最初のゴジラは1954年に制作された。監督の本多猪四郎はインタビユーで、「ニューヨークを破壊するキングコングのように、日本(東京)を破壊する怪物映画が撮りたかった」と答えている。しかし、キングコングそのもののパクリではなく、Harryhausenの"The beast from 20000 fathoms"に登場した「恐竜」系の方向へ話を持っていったのは本田猪四郎だったようだ。さらに彼はそこに水爆実験で被爆し死者が出た第5福竜丸事件という社会背景を盛り込んだ。科学者がストーリーの中で重要な役割を果たすのもHarryhausenの映画によく似ている。

ゴジラの続編は「ゴジラの逆襲」(1954)で、アンキロサウルスをベースにしたアンギラスゴジラの戦いを描いた。怪獣同士の戦い、というのはハリウッドの初期の特撮映画に強く影響されたものと思われる。そして第3作が「ゴジラ対キングコング」である(1962)。これはゴジラシリーズでもっともヒットした作品だという。

ゴジラキングコング

そして、この1962年の作品を基本にしてリメークされたのが、来年公開予定で、今晩の「コング:髑髏島」の続編「ゴジラ対コング」なのである。実は今年の冬の公開予定だったのだが、新型コロナウイルス のせいで来年の夏に延期された。日本の俳優からは小栗旬が参加するという。