jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

WHOは「covid-19に勝つためには、test, test, またtest」と主張

PCR検査に及び腰な国の典型例は日本」と世界中から見られている中、WHOは次のような声明を出した。

 

www.cnbc.com

 

 WHOの会見を要約したアメリカのCNBCテレビは

世界保健機関(WHO)のトップが、強毒性の新型コロナウイルス の封じ込めのために必要かつ十分な努力を実施していない国がいくつかあると批判。検査体制の緊急増強が望まれる」

と見出しに書いた。どの国に対する批判かは特定しなかったが、CNBCはそれが米国に向けて投げかけられた、と理解しているようだ。

同様に、英国の主要新聞社の一つ”The Guardian"も、このメッセージは英国に向けて投げられたと解釈した。

www.theguardian.com

 

 韓国やイタリアは、希望する人全員(あるいはほぼ全員)にPCR検査を受けさせているが、英国は日本と同様に、許可が得られた人だけが検査してもらえる体制になっていて、これが医療や健康関連の専門家から強く非難されていたようだ。

日本の行政研究機関(RIETI)の一つのウェブサイトに、英国の方針を英訳したものがあったので、ここに引用しておく。

www.rieti.go.jp

この和訳文書を読むと、英国の方針は「集団免疫による中央突破(強行突破)戦略」だという。つまり、あえて多くの国民に感染してもらって、自然に抗体を作ってもらうというやり方だ。これはつまり弱肉強食のアプローチで、ダメな人は死んでもらい、自身の免疫で回復できる人だけに生き残ってもらう、という意味である。これをやれば、来年以降は、covid-19に強い人だけの世界が構築される、というわけだ。そのため、学校の閉鎖も、集会の自粛も、積極的な検査も行わない、という。国境を封鎖することもしない。ウイルスの封じ込めはおこなわず、(日本と同様に医療崩壊しない程度に)感染のピークを下げ、後ろにずらす戦略をとる、とのことだ。(興味深いことに、この和訳をした研究者は「(英国のやり方は)ギャンブル」と評しているが、「ギャンブル」なのは日本のやり方にも当てはまるはず。)

これを聞いたWHOは慌てたはずで、”test,test,test"のメッセージを世界に届けることにしたのだろう。日本政府は、英国政府のようにはっきりいっていないが、実質的には、この方針を最初に示したのは日本であり、英国がそれに従ったことになる。結局、両国とも「島国」だからたどり着いた、共通の発想なのであろう。

ちなみに、日本では、このWHOのトップのメッセージを伝えるマスメディアがない。一社もない。非常に面白い現象だ。英国の新聞社のように、政府とWHOの見解を両方紹介してから議論するという姿勢がないのは、忖度の極致なのだろうか?