jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

欧州における新型コロナウイルス の死者数の増加:[1]イタリアは深刻

イタリアにおけるコロナウイルス の死者が急速に増加したのは今月に入ってからだ。上旬に十数人だった死者は、昨日には170人近くにまで急増した。中国で1日の死者数が200人を上回ったのは、感染の流行が疑われてからひと月後のことである。イタリアはこれを二週間足らずで達成しようとしているから、驚きのスピードだ。

イタリアの今後を占うために、中国の感染状況を分析した方法と同じやり方で分析してみたいと思う。すなわち感染者の増加(つまり1日あたりの死者数)はガウス分布に従う、という仮説である。イタリアで死者が最初に報告されてから17日が経過したので、この限られた17個のデータをガウス近似させてみた。もちろん、まだデータは溜まり始めたところであり、これだけのデータで正確な予想はできないかもしれない。したがって、中国とのデータと比較しながら注意深く予想していきたい。

まずは発生から20日分のデータを(その予想曲線と並べて)見てみよう。最近状況が深刻化しているフランスとスペインも一緒にプロットした。また比較のため中国のデータも日にちをずらして重ねてみた。

 

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Number of daily deaths: Mar 12, 2020

横軸が、コロナウイルス による最初の死者が発生してからの経過日数である。縦軸は1日の死者の数である。予想曲線は、イタリアは緑、フランスは黄色、スペインは水色である。中国のデータは黒い四角で、その予想曲線は紫(中国の予想曲線は最初の30日分をもとに最小二乗法で決定した)。中国の予想曲線は、その後のデータをよく再現していることは先のブログ記事で報告済みである。

フランスとスペインのデータは、まだまだ不完全であり(つまり揺らぎが大きく、ガウス分布が非常に小さく出ているが、現実はこんなに簡単には治らないはず)、あまり信用できないものになっている。

一方で、イタリアのデータは系統性がすでに見えてきているので、一定の信用度があると思う。もちろん、中国のデータを分析したときは30日分を利用したので、現在17日分のデータしか分析に利用できないイタリアの予想曲線はまだまだ誤差が大きいと思われる。

 

それにしてもである。イタリアのデータが指数関数的に増加しているのは明らかだ。もちろん、これはいずれピークに達して減少に転じる。現在のところ、中国との比較を見ると、イタリアの感染爆発のスピードは、武漢のそれをはるかに上回っているようだ。これは非常に恐ろしいことである!

この分析をもとに、長期予想をしてみよう。

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Number of deaths by COVID-19, Mar. 12, 2020

黒い四角が中国のデータであり、紫の曲線が(最初の30日分のデータを用いて作成した)予想曲線である。現在、中国の感染流行は終末期にあり、予想曲線がよく実際のデータを再現していることがわかる。

一方で、水色の四角がイタリアのデータである。感染が始まったばかりであるが、次第に爆発傾向にあるのがわかる。この傾向をもとに予想曲線を描くと(最小二乗法で計算したグラフ)それは緑色の曲線となる。その流行期間は中国と同じ程度で60日ほどであることがわかる。つまり、収束するのは5月下旬から6月上旬だろうと思われる。また、感染のピークが訪れるのが今より20日後、つまり3月下旬から4月上旬になると予想している。このときの死者数は1日あたり2000人程度となるという予想である!これは中国での最悪の日(2月13日に255人近くが死んだ)を10倍も上回る凄さだ。本当にこんなことが起きるのだろうか?自分で計算しておいて、自分の結果が信じられない思いである。データの揺らぎがこの極端の予想曲線を人為的に導いていると思いたいほどである。これから一週間のデータが、したがって、予想曲線を計算する上で非常に重要になる。注目していきたい。