jippiniusの自然科学研究

ジッピニウスの自然科学や技術関連についての備忘録です。

朝起きたら、ひどい頭痛:原因と対処法

東京オリンピックは暑すぎて、選手からの酷評が後を絶たないそうである。

ちょっと調べただけでも、かなりの記事が見つかる。

www.bbc.com

www.nikkansports.com

www.fnn.jp

forbesjapan.com

いまや「平年並み」となってしまった「異常な暑さ」が梅雨明け後から続く。昨年も今年も、熱中症で具合が悪くなる患者と、新型コロナの感染爆発が重なってしまい、医療関係者は悲鳴を上げているそうである。実際、当初熱中症と診断されたが、その後新型コロナに感染していたことが判明したケースもあるそうである。

www.nikkansports.com

tamayose-cl.jp

我輩も、先日、朝起きたらひどい頭痛に襲われ、1日動けなかった。最初は頭全体の痛みであり、がーんがーんという感じである。デルタ型の新型コロナウイルスは、「殴られたような痛み」の頭痛から始まる人も多いとのことで、一瞬恐怖を感じたのだが、前の2週間は、誰とも接触してないので感染のしようがないことに気づき、ひとまず落ち着いたのである(ちなみに、現在はこの頭痛からすでに数日経過しており、体調は良好である)。

肩と首回りが凝り固まり、痛くて動かしにくい。朝方、入れっぱなしにしていた冷房がひどく寒く感じたので、毛細血管が収取したタイミングで肩こりが発生し、血流が滞って頭痛が起きたのではないかと考えた。これは、緊張型頭痛というようである。

そこで、柔軟運動やストレッチを行い、コリをほぐすことにした。1時間後、頭部右側の痛みは消え、がーんがーんは消えそうな雰囲気にまで持っていけた。そこで、横になり一寝入りしたのだが、1時間後に起きてみると、左頭部の痛みが残り、左目の奥に痛みの塊が残っているような状況であった。これは偏頭痛というようである。

仕方ないので、アスピリン系の鎮痛剤を服用し、さらに2時間ほど眠ってみた。起きてみると、痛みは軽くなっていたが、痛みが頭と目の奥に存在するのがわかる。これは鎮痛剤の特徴だと思われる。「痛みの病巣はそのままだが、神経が麻痺して、ただ感じないだけ」という状況だと思う。この状態は、薬が切れると再び痛みが戻ってくることを意味する。なんとか、その前に、「病巣」を取り除きたいものであるが、原因がわからない。

熱中症の症状として、朝起きた時から発生する頭痛というものがあるか調べてみると、大正製薬の説明文にそのような症状がある可能性が書かれていた。

brand.taisho.co.jp

「脱水」によって、血流低下が起き、頭痛を引きおこすという。よく、こむら返りが起きると(脱水や発汗などによる)ミネラル不足に陥っているサインだ、という話を聞く。筋肉の伸縮をコントロールするのは、極論すると「生体電気」であり、その電位差ポテンシャルを生み出すのは、イオン化したミネラル(ナトリウムやカリウム)である。つまり、筋肉が「暴走」しているときは、細胞液や血液中に塩が足りないのだ。確かに、足がつっているような感じもしていたので、この段階で「この頭痛は熱中症によるものだろう」という確信が高まってきた。

そこで、庭の畑で育てているトマトをたくさん持ってきて、野菜スープを作ってたべることにした。先日掘った新ジャガや、朝採りしたピーマン、それに買ってきたセロリなどを刻んでブイヨンで煮込んだ。付け合わせは、通信販売で購入した、とあるワイナリーレンストランから送ってもらった煮込み豚である。塩味が効いていてうまいやつである。これにご飯をつけてゆっくりと食べていると....なんと15分ほどで頭の痛いのが飛んで行ってしまったのである!まるで幼児にかける暗示のように「痛いの痛いの飛んでけー」といった感じで驚きであった。

おそらく、寝る直前に十分水分を取らないと、翌朝、脱水気味になって熱中症の症状である頭痛が発生するのであろう。加えて、冷たすぎるエアコンの空気に筋肉が固まって、より頭痛を悪化させたものと推論した。

そこで、寝る前に、トマトを2つほど塩をかけてガブリと食べ、ウーロン茶を2、3倍飲み干してみたのである。

翌日の朝6時。それはそれは爽やかな目覚めであった。夏の涼風が朝日の中を吹いていて、芝生を歩くと優しい緑が目に染み込んでくるようであった。暑い夏の夜は塩トマトと烏龍茶で体調万全である!

イスラエルの「ワクチン三回目接種」政策:必要性に賛否あり

イスラエルの三回目ワクチン接種には「賛否」

東京新聞は、イスラエルが決定した「三回目の接種」については、依然として専門家の間には賛否がある、という論調だ。

www.tokyo-np.co.jp

この書き方だと、「ワクチン接種率が高いにも関わらず、このところ感染(主にブレークスルー感染だろう)が目立つので、科学的な根拠は薄いが”とりあえず三回目”を接種することにした」という風に聞こえる。

ということで、基本的なデータの洗い直しから、「三回目の必要性」について考察してみたい。これは、この冬の日本の感染拡大の可能性を考える上で非常に重要だと思う。

イスラエルのワクチン接種率と直近の感染者数の推移

いつものように、Our world of dataのデータを利用しよう。まずは直近の感染者数のグラフを見てみよう。

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イスラエル、ドイツ、カナダの直近の新規感染者数(データもと:Our world in Data)

比較のために、ドイツ、カナダも表示した。この両国は、これまでひどい感染に苦しんできており、イスラエルと比較することなど到底不可能であった。それが、このところ、イスラエルと同じ規模での感染状況となっていること自体が「奇跡」である。

イスラエルの感染再拡大は6月中旬から下旬にかけて始まっている。ヨーロッパにおける「真夏」のころである(夏至の頃のヨーロッパの夏は最高に素晴らしい;梅雨がないのと、この時期は「夏」になるのである!)。カナダもドイツも、この時期、急激に感染者が減少してきていて、ワクチン接種率の高まりによるものではないかと考えられている。7月の中旬にドイツで一瞬跳ね上がっているのは、もしかすると、サッカーの欧州選手権が原因の可能性がある(英国やイタリアでも同様の傾向が見られている)。

ドイツは、7月の頭を境にして再上昇に転じている。これはフランスやアメリカ合衆国でも(規模は違うが)似たようなトレンドが確認できる。夏休みの休暇で人々が開放的になり、人流が活発化したからであると解釈されている。

一方のカナダは、人流に対して慎重な態度を取り続けているのであろうか?感染者は単調に減少し続け、7月の中旬にイスラエルをついに下回った。しかし、その1週間後からカナダも(緩やかではあるが)上昇に転じた。やはり、夏の人の動きは感染を拡大させる方向の「力」が作用するようである。

イスラエルが6月の中旬に上昇に転じてからのトレンドは、見事に「単調増加」であり、上がり下がりや振動していないのがわかる。加速度は弱いものの、「指数関数的増加」と言ってよいだろう。これは感染拡大の初期の特徴である。現在、その規模はドイツに追いついてしまった。

イスラエルの人口はほぼ東京と同じなので、1日の新規感染者が2000人を超えるという状況は、現在の東京(より正確には先週の東京)とほぼ同様の「ひどい状況」であり、注意を要する状態である。しかもこれが単調に上り調子なので、このままいくと、今週にも3000人、4000人と拡大し続け、近いうちに再び1万人/日などという悪夢の世界に逆戻りしそうな雰囲気である。

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イスラエル、カナダ、ドイツの感染拡大の履歴(2020.1月から)

イスラエルはこれまでの最大が9000人/日弱である。

次にワクチンの接種率を見てみよう。世界の主要国を勝手に選んで表示してみた(データもとはOur world in data)。

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世界のワクチン接種率

カナダの接種率が非常によいことがわかる。なるほど、これが感染者減少の理由だったのだ。二回目の接種率は若干イスラエルに及ばないが、一回目接種の人も入れればかなりの人数がワクチンを受けていることがわかる。その規模はどうやら英国以上である。

ドイツのワクチン接種もかなり進んでいることがわかる。ただし、まだ50%を少し超えた程度であるから、相当数の感染がまだ出てもおかしくない状況である。

以上より、カナダとドイツが、現在イスラエルと比較できるほどに感染状況が改善している理由がワクチン接種の観点から説明できることがわかった。

イスラエルのワクチン接種率は依然として世界最高で、二回目接種が62%である。しかし、この数字はしばらくの間(数ヶ月)変化がない。国民の協力が頭打ちとなり、イスラエル政府は10代の若者にも接種を広めるなど、なんとかして更なる接種を目指したのだが、うまく行っていないようだ。そうこうしているうちに、総量としてはカナダや英国に抜かれてしまっていたのである。

ブレークスルー感染の可能性

イスラエルのデータのうち、年代別の感染者の増加推移を見てみたい。もし、ワクチン接種が頭打ちとなり、その主因である10代への接種が進んでいないのが、このところの感染者増加の原因であれば、そのようなグラフが出てくるはずである。

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イスラエルの年代別の感染者数の推移

確かに、ワクチンを接種していない0-19歳の世代の増加が著しいのがわかる。しかし、それ以上に60-79の世代の感染者数の増加が目立つ。高齢者はイスラエルでも優先的にワクチンを接種した世代である。したがって、そのワクチン接種率は非常に高いはずである。

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イスラエルの世代別のワクチン接種率

予想通り、60-79歳の世代の接種率は70%〜80%という非常に高い数字である。

したがって、以上の結果を踏まえると、現在のイスラエルの感染増加をプッシュしている要因として、ブレークスルー感染を疑うのは(主因ではないにせよ)非常に合理的ではないかと思うのである。

日本での三回目接種の例

日本では、事務処理のミスや、悪意ある意図的なものを含め、三回目の接種をした例がいくつか報告されている。

www.asahi.com

www.sankei.com

news.yahoo.co.jp

上に引用した以外にも結構な数の「三回目」のケースがあるらしい。いずれのケースも「体調に異常はない」ということなので、健康面からは「三回目がよくない」ということではないようだ。問題は、これで抗体価がブーストするかどうかである。

大阪では、5月に二回の接種を完了した医療従事者が、7月下旬になってから自身の抗体価を調べてみたところ、十分な抗体量がないことがわかり、当局に対して偽りの申請を行い、三回目の接種を行なったという「事件」が起きた。やはり、医者が心配になる程、急速にワクチンの効果は減少していくようである。この医者の場合、3ヶ月ほどで効果がなくなったと感じたようである。

mainichi.jp三回目の接種をしたことで、この医者の抗体価が再上昇したかどうかが気になるところである。犯罪扱いするだけでなく、せっかくのよい「実験材料」が手に入ったのだから、当局はこの人物の抗体価を調べ、メディアはその結果を報道すべきだろう。

ちなみに、日本政府も三回目の必要性を認めているようである。ただし、ワクチン調達がうまく行っていない状態で、三回目について具体的な方針を立てるのは無理なようであり、「来年あたりにやろうかな」程度で終わっている。日本政府の認識が甘いのか、現実的にワクチン調達の制限から首が回らないだけなのか、いずれにせよ、「一流国」とは言えない対応に見える。

いつになるかはともかく、たぶん三回目は実施されるとは思うのだが、それでは今年の冬に予想されている「ブレークスルー感染」の恐れに対処することはできない(要は「手遅れ状態の三回目」)。もちろん、(平均)5ヶ月で効果がなくなる、というのは「仮説」であるから、それを信じる必要はない。しかし、危機管理というのは、最悪の事態を想定して行動を決めるわけなので、日本の危機管理能力は低い、という判定が押されてしまっても文句は言えないだろう(つまり備えが十分じゃないのである)。ましてや、実際に効果が5ヶ月しか続かないことが証明されてしまった場合、事態に対処できなくなるのは明らかである。この夏の地獄以上の地獄が冬に待っていないことを祈るしかいない。

www.yomiuri.co.jp

ファイザーのワクチンの効果は5ヶ月程度か?:ブレークスルー感染の増加

イスラエルが、3回目のワクチン接種を行うことを決定し、実行に入った、という報道を聞いた。対象は、二回目の接種が終わってから5ヶ月以上が経過した全国民である。

www3.nhk.or.jp

かねてよりファイザーは3回目の接種を実施するようにアメリカ政府などに働きかけてきたが、CDCなどはその必要性はない、と跳ねつけてきた。一部には、ファイザーの「お金儲け」の魂胆を米政府が見透かしたからだ、という解説もあったが、実際に3回目が必要かどうかはコロナウイルスの性質を知ってからでないと断定はできない。

これまでの知見では、(新型のみならず)コロナウイルスは一般的に突然変異が早く、また多数回発生するため、従来型のワクチン製法ではうまくいかない、というものであった。したがって、新型コロナウイルスが世界的に蔓延した際もワクチン開発に関して悲観的な観測が当初は多かった。(実際、従来型の開発方法で作った中国やロシアのワクチンの効果が低いことが現在問題となっている。)この悲観を吹き飛ばしたのが、本年のノーベル賞最有力候補と言われているmRNAワクチンである。一年以内に実用に耐えうるワクチンが開発されるとは多くの科学者が想像していなかったと思う。

mRNAワクチンの成功は輝かしい科学の勝利、で終わったのかと思われたが、やはり限界があったのかという落胆の声が少しずつ聞こえてきている。その一つがイスラエルの3回目のワクチン接種決定のニュースである。

ファイザーイスラエルを実験台にしてワクチンの効果を調べ続けていることは周知の事実である。個人情報や感染状況などはすべて当局からファイザーへ筒抜けになっていて、その対価として安定かつ安価な供給が約束されている。したがって、詳細な統計データをファイザーが分析した結果が、イスラエルの「3回目決定」の判断なのであって、イスラエル政府自身の決定ではないのであろう。ファイザーの分析チームはおそらく3回目をやっておくのがもっとも「最善の手」であるという判断をしたのであろう。アメリカ政府と違って、イスラエル政府自身が判断していないというのが重要である。イスラエルの分析を通じて、ファイザーの開発チームにはワクチンの効果に限界があることが見えたということが透けて見えてくるからである。

オリンピックの選手の感染が目立つのも、どうやらワクチンの効果が長く続かない、という間接的な証拠である。例えば、最初にアメリカ選手団で感染者が出た女子体操競技の選手は二回目の接種を5月ごろに終えていたというコメントをしていた。

www.espn.com

その後も、2回のワクチン接種を終えた選手の感染が相次いで報告され、ワクチンでは選手村の中での感染が止められないのではないか、という疑いが高まっている。

news.yahoo.co.jp

ワクチン接種完了後の感染を「ブレークスルー感染」というらしい。オリンピック選手にブレークスルー感染がしばしば報告されていたので、早めのワクチン接種完了者はその効果がここに来て薄れてきているのではないか?という疑念を持ち始めていたのである。イスラエルからのニュースは、まさにこの疑念を確信に変えた報道であった。

ちなみに、医療従事者の感染がこのところ目立ち始めているのも気になる話である。医療従事者のワクチン接種率はほぼ100%に近い状態になっているから、このタイミングで医療従事者が感染すると、それはブレークスルー感染である可能性が非常に高い。(官邸公表のデータによると、7/31現在の医療従事者へのワクチン接種合計は1200万回余りである。今年の春に最初のワクチン接種が始まった際には、医療従事者数は470万人程度と見積もっていたので、その全員が二回接種すると940万回の接種で完了ということになるから、現在、医療従事者のほとんどが二回の接種を終了したとみて良いだろう。)

例えば、高崎市が公表している最近の感染者の内訳をみると、医療従事がパラパラいることがわかる。

7/30, No.1321, 20代女性

7/29, No.1292, 20代女性

7/28, No.1276, 50代女性

面白いことに、7/28より前の記録となると、いきなり5/25まで飛ぶのである。

5/25, No.1142, 40代男性

つまり、5月から7月の終わりにかけての2ヶ月間には、医療従事者の感染が報告されていなかったのである!医療従事者への接種は4月ごろから始まり、6月頃に完了したと思われる。したがって、6月と7月前半にはワクチンの効果が最大であったため、感染者が出なかったと思われる。医療従事者の中でも最初に接種完了した人というのは、2回目の接種が4月の終わり頃だろうから、(高崎市のデータが示唆するのは)それから3ヶ月程度でブレークスルーを許していることである。ファイザーの統計分析では、ワクチンの効果が落ちてくるのは、平均的には5ヶ月程度なんだろうが、統計には必ず揺らぎがあるから、3ヶ月程度で感染を許してしまうほどにワクチン効果が低下する人も若干の割合で存在するとみられる。

この調子でいけば、9月から10月にかけて、医療従事者の感染例が再度増加してくるのではないかという恐れがある。日本政府は、まだワクチンの調達自体でてんやわんや状態なので、三回目の接種など思いもよらない事態であろう。しかし、急いで分析を始めないと、秋頃に医療従事者や高齢者も巻き込んだ第6波が発生してしまう可能性は否定しきれないと思うのである。

医療従事者のデータを調べていて、面白い統計データを見つけた。さいたま市が発表している「再陽性者」のデータである。これまでに6件が報告されていて、昨年の10月のものが最後となっている。(おそらく、この辺りで調査が行き届かなくなり、追跡をやめてしまったため6件で止まっていると思う。現在の状況を考えると、再陽性者の数はもっと多いはずだろう。しかし、1日に1000人を超える新規感染者が出ているようでは、統計をまとめきれないと思う。)

発表されたものを見てみると次のようになる。

1度目の感染:5/2, 2度目の感染:10/7 (80代男性)

1度目の感染:7/27頃, 2度目の感染:8/31頃 (10歳未満女児)

1度目の感染:7/4, 2度目の感染:7/17 (20代男性)

1度目の感染:5/1, 2度目の感染:6/5 (90代女性)

1度目の感染:4/26, 2度目の感染:5/23 (50代女性)

1度目の感染:4/5, 2度目の感染:5/20 (80代女性)

最初のケースを除いて、再感染は比較的短い間隔で起きているという内容である。アメリカや香港で最初に再感染が報告された時も、感染と感染の間隔はひと月程度であった。これは「稀な事象」として世界的にも認識され、それほどこのようなケースが頻繁には起こらないという理解で一件落着した。アメリカのケースでは、遺伝子型の分析が行われ、異なるタイプに一回ずつ感染していたので、本当の意味での「再感染」が証明されたが、上のさいたま市の場合には、遺伝子型を分析したかどうかまでは説明がない。PCR検査の精度の問題からもしれないから、一概に「再感染」と決めつけるのはどうかという感じである(再陽性ということなら、その通りである)。

しかし、最初のケースは非常に興味深い。感染と感染の間が5ヶ月空いているのである。おそらく、これは、今回ファイザーが三回目の接種を要請している根拠になっている事例に含まれるのではないだろうか?つまり、ワクチン接種して作ったか、あるいは感染して作ったかのいずれにせよ、体の中で作られた中和抗体は5ヶ月程度で低下してしまう可能性があるということである。さいたま市の場合には、この1つのデータしか公開されていないが、イスラエルのデータには似たようなケースがたくさんあったはずで、それをみたファイザーの分析班が5ヶ月後に三回目の接種をするように勧告したのではないか、という推測である。

モデルナのワクチンに関しては、三回目の接種の勧告はまだ行われていない。やはり、ワクチンによって差異があるのであろうか?ちなみに、我輩は職域接種となるので、モデルナワクチンを受ける予定である。仮に、モデルナワクチンの効果持続性が5ヶ月程度だとすると、なんとか冬の感染を乗り切るギリギリのタイミングである。

さて、本日の東京の感染者数であるが、予想通りの値が発表された。これまでの予測の中でもっとも精度の高い予想になっていると思う。週ベースで173%の増加というのが、今週のトレンドとみていいだろう。これが週末に向けて上昇するのか、それとも下降するのか、あるいは振動するのか、注目していかねばなるまい。

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オリンピック2週目

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日付(曜日): 推測値,         実際のデータ,       増加率(先週の値)

Jul.30 (金):  (2378),              3300 ,             243 %(1359)

Jul.31 (土):   (1974),              4058 ,              360 %(1128)

Aug.01  (日):  3085,              3058 ,               173% (1763)

Aug.02 (月):   2500,                   -,                - % (1429)

Aug.03 (火):   4984,                 -,                - % (2848)

Aug.04 (水):   5559,                 -,                 - % (3177)

Aug.05 (木):   6763,                 -,                 - % (3865)

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どうやら政治家たちは、先週の3000人台が今回の第5波の「ピーク」だと考えているようである。したがって、オリンピックやパラリンピックが終了する頃に感染は下火になって、9月になれば落ち着いてくる、と勝手に考えているらしい。

一方の科学者は、第5波のピークはこれから後にやってくると考えていて、9月の上旬にも強い影響が残ると考えているようである。たとえば、西浦教授は最新の分析において、8月10日頃に東京は6000人の新規感染者が出るだろう、という予測である。

www.nhk.or.jp

さらに、西浦教授は、8月中旬(オリンピックの終了直後)がピークの頃であり、1万人の新規感染者が東京だけで発生すると考えている。感染の波の幅というは、だいたいピークの前後で同じくらいの期間になっているから、第5波のスタートが7月上旬頃だとすると、ピークに達するまでに1.5ヶ月かかる見積もりである。したがって、ピークアウトしてから「下げ止まり」の状態に戻るまでには、さらなる1.5ヶ月が必要で、それは10月の初旬である。だいたい、1万人にも跳ね上がった感染者が数日程度で100人以下にまで減少するわけがない(加えて、東京の若者が感染防止に関して諦めてしまったことは、さまざまな報道からすでに明らかである)。西浦教授の推測を参考にするならば、非常事態宣言の解除は8月31日ではなく、9月31日である(あるいはもっと余裕を持って10月15日頃に思い切ってすべきかもしれない)。

4000人台突入と非常事態の延長と拡大

政府は昨日、非常事態の延長と拡大を発表した。

www3.nhk.or.jp

東京都と沖縄県は、来月20日までだったのが、8月31日まで(わずか11日延長されたからといって何の役にたつのか不明であるが)、大阪、千葉、埼玉、神奈川は8月2日から8月31日までの再度の非常事態発令である。しかし、国民の受け止め方は、「だからなんだっていうの?」という冷ややかなものであろう。「どうせ、オリンピックは中止しないんでしょ?オリンピックで盛り上がっておいて、なにが非常事態だ」といった皮肉交じりの小声が聞こえてくるようである。

昨日の予想で、本日の値は4000人近くになるだろうと書いたが、本当にそうなってしまった。(実は、自分で予想しておいて、一番驚いたのは自分自身である。)「主観が混じった」と書いてはいるが、それなりに論理的に考察したつもりである。やはり科学や論理の力というのは(全能ではないが)、その内容がいくら政治家の都合にあわないとしても、政治はその提言に敬意を示し、一定程度は参考にしていくべきではないだろうか?都庁の役人が「4000人は想像以上だ」とコメントすることはできないはずだ。都のアドバイザリーボードの提言は、6月の段階で、オリンピックを開催すればどうなってしまうか、かなり正確に予想していたと記憶している。

www.m3.com

さて、本日の発表内容を記録しておこう。

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オリンピック2週目

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日付(曜日): 推測値,         実際のデータ,       増加率(先週の値)

Jul.30 (金):  (2378),              3300 ,             243 %(1359)

Jul.31 (土):   (1974),              4058 ,              360 %(1128)

Aug.01  (日):  3085,                  - ,                -% (1763)

Aug.02 (月):   2500,                   -,                - % (1429)

Aug.03 (火):   4984,                 -,                - % (2848)

Aug.04 (水):   5559,                 -,                 - % (3177)

Aug.05 (木):   6763,                 -,                 - % (3865)

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本日の増加率は驚異的な360%であるが、それは先週の統計結果が現実を把握していなかったからである。連休のため、検査機関や医療機関が閉鎖してしまい、適切な検査が実施されず、「artefact」として感染者減少となったからである。そのツケが本日の360%という数字に出ているだけである。昨日の分析では、先週土曜日の「真の数字」は2265人ほどであり、そこから175%の伸びがあれば、本日4000人前後となるだろう、という予想であった。本日の発表は4058人であるから、「真の値」の179%に相当する。

先週の後半は195%前後の値となっていたから、感染者の増加率は200%を目掛け、依然として加速中といえるだろう。実効再生産数は今週も「極大」とはならないかもしれない。それが意味するのは、西浦先生が予言した東京の新規感染者1万人という状況であり、「地獄の到来」である。

最後に、一応、予想曲線と本日の値の関係をグラフで確認しておこう。大阪も東京もさすがにまだ予想曲線から大きくはずれていない。ズレが見えてくるのは、予想曲線のピークに近づいてくる頃であろう。

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新規感染者の予想曲線(大阪の第5波)

f:id:jippinius:20210731203129p:plain

新規感染者の予想曲線(東京の第5波)


 

オリンピック2週目:スタートは243%増加の3300人

本日の増加率は243%であったが、これはどう考えても連休の影響である、つまり先週の発表数が少な過ぎたのだ。

発表されたデータを利用して先週の実際の値を推測してみよう。もし本日の本当の増加率が175%であったとするならば、先週の感染者数は1886人という計算となる(先週計算した予想値は1970人)。先週の統計値は1359人だったから、実際の感染者数と予想される感染者数の70%の数字が報告されていたことになる。

連休によって医療機関が閉鎖され、検査数が減少することで「一見感染者が減少する現象」は、60%から70%の補正を入れると正確な値が予想できる、というこれまでの仮説と首尾一貫していることがわかる。これからも、連休の時はこの補正値を用いて分析することにしよう。

さて、明日はどうだろうか?もし仮に真の値の7割の値が先週の土曜日に発表されているとすれば、真の値の推測値は1600人と算出される。その数字に175%をかけると、今週の感染者数の(真の)予想となる。計算してみるとそれは2800人である。

この数週間の統計を見ると、土曜日が金曜日よりも低くなることはなかった。とすると、先週の土曜日と金曜日の影響を同じ数字で考えるのは間違いなのかしれない。たしかに、先週の金曜日は伸びが鈍化しただけだが、先週の土曜日は減少した。もしかすると、土曜日の落ち込み方の方が大きかったのかしれない。

そんなようなことも考慮に入れれば、先週の「真の値」は1359/0.6=2265人と考えるべきなのかもしれない。だとすると、明日の値は2265 * 1.75 = 3964となって、ほぼ4000人である。なんとなく、こちらの予想値の方が確からしい感じがする(科学的というよりも、かなり主観が入っているのはご容赦願いたい)。

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オリンピック2週目

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日付(曜日): 推測値,         実際のデータ,       増加率(先週の値)

Jul.30 (金):  (2378),              3300 ,             243 %(1359)

Jul.31 (土):   (1974),                 - ,                 - %(1128)

Aug.01  (日):  3085,                  - ,                -% (1763)

Aug.02 (月):   2500,                   -,                - % (1429)

Aug.03 (火):   4984,                 -,                - % (2848)

Aug.04 (水):   5559,                 -,                 - % (3177)

Aug.05 (木):   6763,                 -,                 - % (3865)

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 京都大学の西浦先生の最新の予測では、今回の第5波のピークは1万人をついに超えてくるだろう、ということになっている。ピークの時期は8月16日ということらしい。

我輩の予想は8月11日の5000人がピークということだったのだが、昨日の結果を受けて、それまでの分析が「ちゃら」になってしまったことを考えると、ピークが1週間後ろにずれるのは合理的な修正なのかもしれない。拡大傾向が1週間余分になれば、5000人と1万人の間にピークが来そうである。そういう意味でも、我輩の分析も西浦先生の結果に近い形で修正が入る予感である。

www3.nhk.or.jp

3865人の脅威:全ての予想がすべて無駄になったか?

昨日は色々な予想を行ない、その結果として「今週の平均値としての増加率はは170%程度だろう」という結論を下したのだが、本日ふたたび195%が記録されてしまった。もはや連休の間に検査を受けることができなかった人たちが溢れてきた、というだけでは説明できない状態に入っている。昨日までの予想の多くが無効化してしまう可能性すらある。本日の3865人、ほぼ4000人という統計結果は非常に驚異であり、脅威である。

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オリンピック1週目

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日付(曜日): 推測値,         実際のデータ,       増加率(先週の値)

Jul.23 (金):  2046(1970),        1359 ,               107 %(1271)

Jul.24 (土):  2270(1362),        1128 ,                 80 %(1410)

Jul.25  (日):  1623,                  1763 ,                175% (1008)

Jul.26 (月):   1170                  1429 ,                197 % (727)

Jul.27 (火):   2233,               2848 ,                205 % (1387)

Jul.28 (水):   2949,               3177 ,                 173 % (1832)

Jul.29 (木):   3186,                3865 ,              195 % (1979)

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今週の増加率の平均値を改めて計算してみると162%となる。昨日までの暫定値は156%だったから、いかに本日の値が状況をひっくり返したかわかる。来週の予測をする時に175%の増加率を使おうかと思っていた、というのを数日前から書いてきたが、昨日の分析をやってみて、「そこまで大きな数字を使わなくてもいいかもしれない」などと思ってしまった。しかし、本日の結果を受け、再度、実効再生産数を計算し直し、分析をやり直さなければならないと感じている。

まずは曜日別のグラフを第二波以降の期間で見てみよう。本日の値がいかに「跳ねてしまった」かわかると思う。

 

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曜日別の感染者数の推移(東京都)

では、実効再生産数の再計算の結果を見てみよう。

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実効再生産数の推移(東京都)

本日の値はR'=1.41であり、ついに1.4を超えた。インドの感染爆発時とほぼ同じである。昨日までの計算では、東京の実効再生産数は直近2週間でR'=1.35-1.37程度であり、(実効再生産数に関しては)先週の値を最大値として今週は減少局面に入ったという分析であった。ところが、本日の値を見ると、実効再生産数は今週になっても上昇トレンドが終わっていない、という結果になっている。

インドの場合は、R'=1.4付近でしばらく値が停滞し(およそ1ヶ月ほど)、その後に減少局面となった。東京の場合はどのような推移をするのか、非常に興味深い。

昨日までの分析は全て、実効再生産数が減少局面に入ったという認識のもとに行なったので、その結果は無効になってしまった可能性が高い。つまり、「おじゃん」である。

とはいえ、慌てて修正するのもよくないので、しばらくは「無効な予想曲線」のまま分析をしてみたいと思う。実効再生産数に大きな特徴が表れ、確実なものとなった段階で再分析することにしよう。

とりあえずは、昨日の予想曲線に、本日のデータを付して描画してみた。やはり、過小評価となっているのが確認できる。本日のテレビの情報番組で松本先生が「どこまで跳ね上がるのか、もはや想像すらできない」と、その恐怖感を語っていたが、まさに同感である。

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昨日作った予想曲線に本日のデータを書き込んでみた。

 さて、来週の予想を計算してみたいと思う。数日前から書いていた通り、175%を使って算出してみることにした。本日の195%という値は、この175%という数字を予想に使うということに対し、自信を揺らがせる効果を与えたのは確かである。しかし、予想は予想である。どうにも予想が合わなくなってきたら再計算することにして、本日のところは175%で計算してみる。それでも恐るべき予想になるのである!

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オリンピック2週目

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日付(曜日): 推測値,         実際のデータ,       増加率(先週の値)

Jul.30 (金):  (2378),                 - ,               - %(1359)

Jul.31 (土):   (1974),                 - ,                 - %(1128)

Aug.01  (日):  3085,                  - ,                -% (1763)

Aug.02 (月):   2500,                   -,                - % (1429)

Aug.03 (火):   4984,                 -,                - % (2848)

Aug.04 (水):   5559,                 -,                 - % (3177)

Aug.05 (木):   6763,                 -,                 - % (3865)

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金曜日と土曜日の数字が()で囲ってあるのは、先週の数字が連休の影響を受けて低めの統計となっているからである。推測値よりも大きな値が出てくる可能性は高いと思われる。特に土曜日の数字は注目である。4000人台が報告されても不思議ではない。

週の後半になると、4000人どころか、5000人を超える日が登場する可能性が示唆される。しかも、5000人台が記録されるのはわずか1,2日だけであって、木曜日には6000人台、下手すると7000人以上が報告される可能性すらある。

これが175%という増加率で計算した推測値である。本日の195%という数字がいかに恐ろしいかわかる。仮に175%を上回る状況に東京が置かれているならば、上の推測値はことごとく過小評価となって、来週はついに地獄の入り口に足を踏み入れることになるだろう。

東京都は「2週間後に4532人」という予測をしているようだが、増加率が195%どころか、もっと低い数字で推移していくと予想しているようである。おそらくアルファ株であれば妥当な数字だとは思うが、東京が対峙しているのはデルタ株であるということを忘れてはならないだろう。東京都の推測があっていたとしても地獄はもうすぐそこに来ている。

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「政府は強いメッセージを出して、国民の注意喚起を促すべきだ」とどの専門家も本日のテレビや新聞で訴えている。「打つ手が尽きた」とか政治家入っているようだが、それは嘘である。東京オリンピックを途中で中止するのである。「もう、これ以上は危なくてやってられません」と、深刻な表情で総理大臣が発表すれば、東京都民なら、この最大の危機を切り抜けられると我輩は思うのである。

 

麻生氏の好きな「民度の高さ」を、ある意味我輩も信じているのである。とはいえ、「ファクターX」に関しては、ここまで感染が拡大すると、口に出すのも恥ずかしいくらいである(結局は、日本人のビビリ性とマスクへの慣れが決め手だった、ということに過ぎないのではないだろうか?)。

大阪の第5波の予想曲線

昨日作った東京の予想曲線の作り方を応用し、大阪の予想曲線も作ってみることにした。といっても、ピークの位置や波の幅に関しては、第4波の大阪の予想曲線の作成にあたって編み出したやり方を東京に応用している。今回加えた新しい部分は、ピークの高さを予想する方法で、それがうまくいくか大阪でも試してみようというわけである。

昨日の東京の予想曲線では一発決めでやってみたが、やはり誤差がある程度あることは認めないといけないと思い直し、上限と下限とで2つの予想曲線を合わせて表示してみることにした。

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大阪の第5波の予想曲線

東京と異なり、大阪の第5波は目玉が飛び出るほどの大きな変化とはならないようである。これは、第4波ですでに大阪はデルタ株にやられているからであろう。ただ、そのピークの高さや幅は少しずつ大きくなっているので、注意が必要だ。

前回の第4波で、大阪の医療は大きなダメージを被っているから、それと同等、あるいはそれを上回る感染の波が来ることは、悪夢再来という意味で、大阪に重荷を貸すことになると思われる。今回の大阪府の対応は、かなり慎重なものであったし、府民もよく耐え協力したと思う。しかし、オリンピックの開幕とともに、どうしても人々の活動は再開してしまったようである。残念ながら、今回の大阪のバックグラウンドも「一桁(人/日)」に到達することもなかったし、バックグラウンドの期間も非常に短いものとなってしまった。ここまでくると、大阪府というよりは、日本政府の責任の方が重いような気がしている。近々、大阪に再度緊急事態宣言が出されるそうだが、常にゴテゴテの動きをみせる政府に対し、「学習能力はあるのか?」と問い正したいと考える人は少なからず存在するのではないだろうか?(大阪府には学習能力はあったと断言できる)。